古いアパートに住んでいるので、水回りのトラブルにはよく見舞われる。一つ直せばまた次が、次を直せばその次がと、まるでイタチごっこのようだ。あまりにも頻繁に続くと、私たちの使い方が悪いせいでこうなってしまったんじゃないかと思われてしまう気がして、管理人さんに報告するのも気が引けてしまうほどだ。だからなるべく自分たちでどうにかしようとしていた時期もあったのだけど、結局は焼石に水状態になってしまうので、最近では開き直るようにしている。
たいがいの水関係のトラブルを経験してきた私達にとって、その道のプロの方とはすっかり顔なじみである。ついこの間、トイレのトラブルで業者さんに来てもらったときも、「あぁ、お久しぶりですね、今日はどうなさったんですか?」と、まるでかかりつけ医のような親密ぶりに、何だかホッとしてしまった。その人の顔を見るだけで安心感で心が満たされるなんて、完全にそれだけでもプロの成せる技である。大家さんへの申し訳なさから自分たちでトラブルを解決しようとしていた時期もあったけれど、水回りのトラブルで業者さんに依頼して良かった点は、何といってもこの安心感にあると思う。トイレから水が溢れても、洗面所の排水が詰まっても、台所下から水が滝のように流れても、きっとこの人なら何とかしてくれる。そう、やっぱりその業者さんは、私達のアパートのかかりつけ医のような存在であるのは間違いないのだ。